2018年 09月 01日
FUJIYAMAとHINOMARUの物語(2017)
【2017年5月】
弊社がブートニエールを展開する販売店Tが海外に出店するに当たり、日本独自のアイテムを、とのリクエストがあったので、畳縁を素材として採用、かつモチーフを富士山としたブートニエールを提案したところ好感触で早速試作品の製作に入り、出来栄えは上々であった。
しかしながら、Tが出店を予定していた国は高温多湿でジャケットを着る習慣が少なく、従いブートニエールの需要も僅少ということでその展開はあえなく、頓挫してしまった・・・
【2017年7月】
2006年9月弊社の時計のコラムにもご登場頂きましたH氏との付き合いは10年を優に越える。
私が知る限りそのファッションセンスは群を抜いており、1年間のうち200日以上を海外で過ごすH氏は
ご自身の洋服をフィレンツェやミラノで買い求める。
2017年7月に還暦を迎えることになったH氏はホノルルのロイヤルハワイアンのガーデン・レストランを
借り切りパーティを催したが、その際にまだ行き場の決まらぬFUJIYAMAをプレゼントとして持参してみた。
H氏は通年ジャケットを着用し、そのラペルには常にブートニエールを付ける伊達男だ。
http://www.sui-sho.co.jp/watch_world/won.html
畳縁をはじめ、クロコダイル、24金箔蒸着と様々なFUJIYAMAいずれにも対し、
評価が極めてシビアなH氏から
「素材感、サイズ、形状、色彩、いずれをとっても完璧」とのお言葉を頂戴し、今では、H氏は所有するすべてのジャケットとコートにFUJIYAMAが完全装備されるに至っている。
【2017年9月】
娘が山梨県・甲府市の大学に通っており、時折足を運ぶ機会を得る。
甲府駅北口に株式タンザワが所有する「甲府夢小路」の中にU-MEという洒落たバーがある。
何の気なしに、足を運び、扉を開けると、店内入り口横の壁に島地勝彦氏と、ほどなく
そのバーのオーナーであることが明らかになる上杉氏のツーショットのポートレートが。
「ん?」と思いながらもカウンター席に腰かけ、メニューを一瞥した私は
「タリスカー10年でスパイシーハイボールを」
と軽めのジャブを打ってみた。
カウンターの向こうの上杉氏は一瞬身構える。
http://koshuyumekouji.com/shop/build_G1_02.html
スパイシーハイボールを私に提供する上杉氏の表情にも「?」が浮かんでいたので、
早めの種明かしをしようと
「実は私は伊勢丹で、島地さんのもとでお仕事をさせて頂いております」
と手短な自己紹介を行うと合点がいったようで安堵の表情を浮かべた。
サロンドシマジ併設のシガーバーにおいても最も人気の高い「タリスカー10年スパイシーハイボール」
をメニューに採用している上杉氏は島地氏に心酔しており、店内を見回すと、島地氏の自書や書籍、
格言コースターが並ぶ。
何気なくふらりと入った甲府のバーのオーナーが島地氏を師と仰ぐという偶然の邂逅と、上述のH氏の
FUJIYAMAに対する高評価が今後のFUJIYAMAの山梨県下での展開に繋がっていくことになるとは
この時点では私の頭の中には全くなかった・・・
(次号に続く)